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クイズ
峠道はピキオン山に続き、ひたすら登りが続く。すると、遠くに何か動物が見えた。
「あれが狛犬みたいな怪物?」
怪物というにはずいぶん小さい。すわっている高さは背の高いエディプスの半分もなさそうである。だんだん近づくとその姿がはっきりと見えてきた。頭から首、胸、おへそのあたりまでは若い女性である。薄いベールを羽織っているが、膨らんだ前胸部が透けてみえる。下腹部と手足は毛むくじゃらで、大型ネコ科動物に似ている。毛色は黄色っぽい茶色でやせたライオンのようだが、背中には金色の翼がある。怪物は退屈そうにしっぽのふさふさで、手の爪を磨いている。
エディプスが近づいてくるのに気づくと、怪物は道の真ん中におすわりをして行く手を塞いだ。
「え~、旅の人、旅の人」
棒読みである。
「今からなぞなぞを出します。答えられなければここを通れません」
「え?なぞなぞですか?」
「なぞなぞです。クイズです」
「どうぞ」
「では、よく聞いてください。朝は4本足、昼は2本足、夕方は3本足、な~んだ?」
「ええっと。全部足したら、9本?イカ・タコじゃないのか。ははん、朝とか昼とか夕方はたぶん比喩だな・・・」
「な~んだ?」
怪物は余裕でニコニコ顔である。
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