クイズ

1/6
前へ
/14ページ
次へ

クイズ

 峠道はピキオン山に続き、ひたすら登りが続く。すると、遠くに何か動物が見えた。 「あれが狛犬みたいな怪物?」  怪物というにはずいぶん小さい。すわっている高さは背の高いエディプスの半分もなさそうである。だんだん近づくとその姿がはっきりと見えてきた。頭から首、胸、おへそのあたりまでは若い女性である。薄いベールを羽織っているが、膨らんだ前胸部が透けてみえる。下腹部と手足は毛むくじゃらで、大型ネコ科動物に似ている。毛色は黄色っぽい茶色でやせたライオンのようだが、背中には金色の翼がある。怪物は退屈そうにしっぽのふさふさで、手の爪を磨いている。  エディプスが近づいてくるのに気づくと、怪物は道の真ん中におすわりをして行く手を塞いだ。 「え~、旅の人、旅の人」 棒読みである。 「今からなぞなぞを出します。答えられなければここを通れません」 「え?なぞなぞですか?」 「なぞなぞです。クイズです」 「どうぞ」 「では、よく聞いてください。朝は4本足、昼は2本足、夕方は3本足、な~んだ?」 「ええっと。全部足したら、9本?イカ・タコじゃないのか。ははん、朝とか昼とか夕方はたぶん比喩だな・・・」 「な~んだ?」 怪物は余裕でニコニコ顔である。 e5a29900-7ba8-4658-8fe4-65be79d1e13f
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加