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「うん?わかったかも!」
「では、旅人よ、答えなさい。お手付きは失格となります。ファイナルアンサー?」
「それは“にんげ・・・・”」
と、エディプスが言いかけると、怪物は大声で叫んだ。
「うああぁぁぁ~!!!」
驚いたエディプスは、言いかけた答えをのみこんでしまう。
「あ~、びっくりした。何ですか突然大声なんかだして!答えは“にん・・・”」
「わああぁぁぁ!!!」
怪物はまたしても大声をあげ、メデューサの形相でエディプスをにらみつける。
「ちょっとあんた!正解答えるところだったじゃないの!!」
面食らったエディプスは、あとずさりしながら言葉を返す。
「だってなぞなぞに答えろっ、て言ったじゃないですか」
怪物は冷や汗を滝のように流し、瞳孔は開き、心臓はバクバク、翼をばたばたさせて叫んだ。
「あなたね、正解したらどうなるか知ってんの?」
「ここを通れるんでしょ?」
「まあ、そうだけど。正解したら、わたし消えちゃうのよ!」
「消えちゃうって?」
「死んじゃうのよ!」
「え?なぞなぞを解かれただけで死んじゃう怪物って・・・」
くっくっくっ、とエディプスは笑いをこらえた。
「だってそういう設定なのよ!じゃ、なに、他の怪物ってどうなのよ!」
「そうですね、例えば王妃が牛とナニしちゃってできた頭が牛で体が人間、あ、ニンゲ・って言っちゃったけど・・・」
「それはなぞなぞの答えとして言ったわけじゃないから大丈夫。で?」
「その半分牛の怪物ミノタウロスは、天才建築家ダイダロスの作った絶対に出られない迷宮にいて、人身御供として送り込まれた勇者テセウスにやっつけられ、テセウスはお姫様にもらった糸巻きを頼りに迷宮から出られた、とか」
「とか?あ、待って。頭が牛で、下半身が人間ね?逆じゃないんだ・・・残念」
「え?何が?」
「いいの、続けて」
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