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私はあまりの突然の出来事に、変わり果てたいつかの元へと直ぐに近寄ることができなかった。
それでも私は、
(負けるな一花!いつかは私の大事な妹なんだよ!今のあの子を支えられるのは私だけなんだから!だから!だから!)と、まるで呪文を唱える様に自分に言い聞かせると、震える脚を一歩、そしてまた一歩と前に踏み出し、いつかの傍に全身を近づける。
『いっ、いっちゃん?いっちゃんなんだよね?』
左半身が「バケモノ」と化したいつかは上手く喋ることが出来ないのか?涙を流しながら´コクンッ´とただ頷くだけ。
「バケモノ」と化したいつかをまだ・・・ちゃんと直視することは出来ないが、私と同じく小刻みに震えるそんな妹を・・・決して不憫になどと思うことなく、そっと抱き締めて上げることしか・・・今の私には、そうしてやる事しか出来なかったのだ。
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