エピソード「ホワイト①」

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 春、新学年。俺、遠藤和樹(えんどうかずき)は高校2年生になる。すぐに誰とでも友達になれる俺にとって、クラス替えで最も重要になるのは、仲のいい奴とか嫌な奴がいるか、なんてことではない。そう、女の子だ。可愛い女の子がいるか、いないかだけだ。それだけでその1年が決まると言っても過言ではない。特に今年は修学旅行があるから尚更だ。そういうわけで、字面で見るクラスメイトには特に興味がない。だからクラス名簿なんてろくに確かめない。実際に教室に行ってこの目で見て確かめる方が早いから。今年も、クラス発表の掲示板の前で一喜一憂している奴らを横目で見ながら、自分の名前だけを確認し、すぐにその場を去った。  だが、今年は教室に行く前に、いい1年になるとわかってしまった。見つけてしまったのだ、自分の名前のすぐ下に。誰もが名前を知っている、大山千穂の名前を。学年で1番可愛く、読者モデルをやっているという、大山の名前を!大山は読者モデルをやっているというだけあり、本当に可愛い。そんな子と1年間同じ教室で、修学旅行も共にできる。これ以上の幸せが存在するのか?まぁ、出席番号的に席が自分より後ろだから、授業中に後ろから眺めることが出来ないというのは残念だが…
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