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田中さんはバイトを始めた時から何かと世話を焼いてくれて、ミスをした時もいつも庇ってくれるのが田中さんだった。
それから少しづつ喋るようになって、お昼はこうして一緒の席について何を特に喋るわけでもなく、ダラダラと過ごしていた。
田中さんは真剣な表情で新聞に没頭している。
眉間に刻まれる深いシワ。さっき見せた目じりのシワ。ほうれい線の深いシワ。
何十年も生きた証を刻みつけているシワたちに私はとてつもない魅力を感じていた。
ずっとその顔を眺めていたい。全てを独占したい。
一体いつからこんな感情が芽生えたのだろう。
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