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「なぁんて普通言わねえよな。
どんだけ余裕があるんだってんだ。」
リビングのソファーにふんぞり返りながら、明はオンデマンド配信のB級ホラー映画に管を巻いていた。無料配信期間を逃すまいと、実に今夜4作目の作品だ。溜まった疲れが作品への不満に繋がる。
「えー、でも本当に出会ったら言っちゃうかもよ?」
千郁はダイニングキッチンでスモークチーズを皿に並べながら、明の言葉をやんわりと否定した。そこには千郁の買い物の予定を優先させた後ろめたさが無いとは言い切れない。
「言わないって!絶対!賭けてもいい!」
ため息混じりの明は背後を振り返って言うと、そこにはしてやったりと言う顔の千郁。
「じゃあ、勝負ね!」
どうやらこの流れはの千郁の狙い通りらしい。
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