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「千郁だろ?」
明は千郁の手に自分の手を載せ替えし、落ち着き払ってそう言った。
「え……?」
想定外のリアクションに千郁は動揺を隠せない。
「お……驚かないの?」
「だってその口、知ってたし。」
明の衝撃的なカミングアウトに、これまで必死で隠してきたハズの千郁の秘密は全くの価値を失っていた。
「なんで!?」
明は少しだけ目を丸くして
「寝てるときにたまになってるよ。」
と千郁に優しく教えた。まさか、千郁が気づいていなかったとは、それ自体が驚きだったのだ。
「マジかー!」
口裂け女は昔からマスクと相場が決まっていたのにと、寝る時の乾燥対策を怠った千郁はひどく後悔した。
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