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ーーわたし、おかしくなっちゃう……。
惚けていく意識の中で、千郁はかつて口裂け仲間に聞いた話を思い出していた。
"キスだけで満足できる夫婦生活もある。"
今の状況でこの話を思い出した自分に、千郁は自問した。
ーーこれはキスなのか？あと、私はちゃんとお風呂に入っているのに、なんで？
と千郁は考えたが、そこで考えるのをやめた。
千郁と明。二人は奇異なあかなめ行動に酔いしれながら、赤名家の夜はしっぽりと更けていく。
<了>
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