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「あっ、そうだ」
と七月は慌てて、ベッドから飛び降りる。
背後から英嗣の声が追いかけて来た。
「ま、遅れてったりして、問題児になった方が、夜、また先生が指導に来てくれたりしていいかもね」
「朝から減らず口やめてください」
振り返らずにぴしゃりと言いながらも、英嗣とこうして口がきけたことに安堵していた。
なんだろうな、さっきの感じ。
英嗣さんが死んでるみたいだったってことだけじゃなく、恐怖を感じた。
あの、死んだ直後みたいな人間の顔。
いつか見たことがある気がして――。
そんなことを思いながら、英嗣がまだベッドの部屋の方に居るのを確かめる。
慌ててクローゼットを開けて着替えた。
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