第一章 トイレの霊

2/68
443人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
   いろいろ考えなきゃいけないことはたくさんあるけど。  とりあえず、学校は平和だなあ。  授業中、七月は、ぼんやりと窓の外を見る。  グラウンドをマラソン大会に向けて、体育の授業の生徒たちが走らされていた。  そういや。  あの辺に、田の字書いてる子どもが居たが、あれから誰かに遊んでもらったろうか、と思ったとき、チャイムが鳴り、授業が終わった。  大きく伸びをしていると、三橋が現れる。  人の机を勝手に、コンコン、と拳骨で叩きながら、 「お前、知ってるか」 と訊いてくる。  間髪入れずに、 「知ってる」 と答えると、三橋は、 「何がって言ってねえだろ!」 と案の定キレた。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!