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陽菜たちがこちらを見ていた。
そのまま行ってしまう。
「今、大層な誤解を受けた気がするわ。
ってか、第一持ってってないし、誰も」
彼女たちの居なくなった戸口を見ながら呟いていると、
「なんなのよ?」
と後ろから弥生が言ってくる。
「知らないの?」
と時子が弥生に言った。
「七月、最近、三橋と噂になってんのよ」
「ええーっ?
ああ~、ごめん。
もしかして、今の話、牧田たちが聞いてた?」
察しのいい弥生が戸口を振り返りながら言ってくる。
だが、すぐにこちらに向き直ると、
「でもさ、これは学園一じゃないでしょう~」
と三橋を指差して、高笑いしはじめた。
……殴られるぞ、弥生。
「もうひとつ疑問なのはさ、その噂」
うわっ、びっくりしたっ。
いきなり側でした声に見ると、三村が立っていた。
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