第一章 トイレの霊

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 陽菜たちがこちらを見ていた。  そのまま行ってしまう。 「今、大層な誤解を受けた気がするわ。  ってか、第一持ってってないし、誰も」  彼女たちの居なくなった戸口を見ながら呟いていると、 「なんなのよ?」 と後ろから弥生が言ってくる。 「知らないの?」 と時子が弥生に言った。 「七月、最近、三橋と噂になってんのよ」 「ええーっ?  ああ~、ごめん。  もしかして、今の話、牧田たちが聞いてた?」  察しのいい弥生が戸口を振り返りながら言ってくる。  だが、すぐにこちらに向き直ると、 「でもさ、これは学園一じゃないでしょう~」 と三橋を指差して、高笑いしはじめた。  ……殴られるぞ、弥生。 「もうひとつ疑問なのはさ、その噂」  うわっ、びっくりしたっ。  いきなり側でした声に見ると、三村が立っていた。
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