第一章 トイレの霊

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「三橋が矢部さんが居るとき、僕も大抵、一緒に居るんだけど。  なんで、噂になるのは、三橋だけなんだろうね?」 「存在感が薄いからじゃない?」  相変わらず、弥生は容赦ない。  悪気もないのだが。  それなりに、三村のことは認めているようだし。  特に、この間、一緒に学園の裏の世界を彷徨ってからは――。 「そうね。  私、無人島に三橋と三村くんと三人で漂着して、どっちかと結婚しろと言われたら、三村くんだわ。  まあ、三村くんが嫌かもしれないけどね」  腕を組み、唸りながら言うと、三村は、 「僕、別に嫌じゃないんだけどさ。  矢部さん、なんか僕に恨みでもあるの?」 と自分こそが恨みがましげに、こちらを見ていた。 「なんで?」
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