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「三橋が矢部さんが居るとき、僕も大抵、一緒に居るんだけど。
なんで、噂になるのは、三橋だけなんだろうね?」
「存在感が薄いからじゃない?」
相変わらず、弥生は容赦ない。
悪気もないのだが。
それなりに、三村のことは認めているようだし。
特に、この間、一緒に学園の裏の世界を彷徨ってからは――。
「そうね。
私、無人島に三橋と三村くんと三人で漂着して、どっちかと結婚しろと言われたら、三村くんだわ。
まあ、三村くんが嫌かもしれないけどね」
腕を組み、唸りながら言うと、三村は、
「僕、別に嫌じゃないんだけどさ。
矢部さん、なんか僕に恨みでもあるの?」
と自分こそが恨みがましげに、こちらを見ていた。
「なんで?」
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