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「また、麻美の次来る発言、発動したね」
ホームルーム後、教室で帰りの支度をしていたゆには、話し掛けてきた麻美に笑顔を見せた。
「また?そんなにわたし、言ってる?」
麻美は目をぱちくりとさせて、小首を傾げた。
「これで五回目だよ」
「え?そんなに言ってたか」
麻美は少し照れたように、指で頬を掻いた。
ゆにと麻美が出会ったのは、一ヶ月と少し前。
高校に入学し、同じクラスになった二人は、そこでお互いの存在を初めて知ったのだ。
今ではすっかり親友と呼べる絆を築いている。
その一ヶ月と少しという僅かな期間で、麻美は五回も、ブームになりうるものを、ゆにに告げている。
「でも、凄いよね。まだブームとは呼べないけど、麻美が言ったやつ、全部来始めてるよね?」
ゆにの言う通り、麻美が予言したもの全てに、ブームの兆しが見えている。
「えへへ。凄いかな?」
麻美は目を細め、笑顔になった。
「凄いよ。直感で分かるんでしょ?」
ゆには、目を輝かせて聞いた。
「うん、直感だよ」
「麻美、占い師になればいいのにな」
尊敬の眼差しを浮かべ、ゆには素直にそう思った。
ゆには昔から占いが好きだった。いや、好きという表現では足りないかも知れない。ゆには、手に取る雑誌は必ず占いのページがないかを探してから読む程の、占い大好き娘なのである。
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