ハーブティー好きの校長先生

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ハーブティー好きの校長先生

「美咲先生、いらっしゃいますか?」 「まぁ、校長先生。 何かあったんですか?」 「オレ、ホームルームの準備をするよ」 「わかったわ」 真人と美咲が赴任している 学校長衣川政宗は、美咲がいれる ハーブティーがお気に入りだ。 「ハーブティーが 飲みたくなって来たのですが」 「今、飲み頃のものが ありますからお入れしますわ」 美咲は、朝早くにつくっていた ハーブティーをいれた。 「これは、おいしい。 これは、どんなハーブを 入れたのですか?」 「今朝淹れたのは、 レモングラスとカモミールの ブレンドです。お味はいかがですか?」 「なるほど、そうですか。実にうまい」 「校長先生がハーブティーを 保健室に置かせてもらって 感謝しています。 それに、義弟もバスケの優勝が 励みになったようです」 「真人先生は、熱心な先生ですよ。 彼は、我が校の誇りです」 「ありがとうございます。 義弟が聞いたら喜びますわ」 絹川校長は、美咲と真人の功労を 理解している。 美咲が、悩み相談ノートを置きたいと 提案した時は生徒のいじめを見て、 いじめられた生徒の交換日記にと 始めたものであった。 交換日記をしていくうちに、 生徒のいじめの原因がわかり、 生徒のクラスでいじめていた相手と その両親を呼んで懲らしめたのだ。 それから、生徒に対する いじめはなくなった。 それからは、生徒のクラスで 美咲が怒ると怖いと噂が流れていた。 それは、いじめをしていた 相手と両親に美咲は命の尊さを 教えていったからだ。 いじめで命を落とすことも あるのだと…。 それから、学校で美咲は保健室で 悩んでいる生徒のカウンセリングを するようになった。 そして、交換日記で始めた 悩みノートは、数冊になった。 「美咲先生のカウンセリングは、 毎日のようにきますね。 それだけ、美咲先生が 慕われているんですね」 「ありがとうございます。 私は、生徒たちの悩みを 聞いていくだけです。 話をしていくうちに 生徒たちの気持ちが軽くなるならと 願っています」 「そうですか、本当に良い養護教諭に 来てもらいました。 美咲先生、これからも頼みましたよ」 美咲の仕事を褒めてくれたのは 大きな励みとなった。 たとえ邦雄と離婚をしても仕事がある。 自分の今の仕事があれば 一人でも頑張れる。 邦雄と話し合ってみよう。 邦雄が離婚を許すかわからないが、 これからのことを前向きに考えていこう。 そう思う美咲だった。
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