呪い ~呪殺師~

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 あたしは「ああ」と声をあげ、観念した。  そうだ。  あたしが殺したのだ。  冬馬の愛を独り占めしたくて、奥さんが邪魔だった。頭に花瓶をたたきつけたあと、首を絞めて殺し、持ち運びできるように、お風呂場で裸になって、死体を包丁でバラバラにした。そのとき、右腕に飛び散った血が、なぜかどんなに洗っても取れなかった。血はやがて丸いアザとなり、アザはじきにユカの顔へと変化していった。 「人面瘡(じんめんそう)というやつだ。これは呪殺じゃ死なないよ。あなたの体が死ぬまで寄生するよ」  斑尾の言葉が、あたしを絶望の底に突き落とした。  ぼうぜんとするあたしをあざけるように、突然、腕の人面瘡がケタケタと高笑いした。                             〈了〉
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