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包帯の下にあるものを隠したかったけれど、斑尾にしっかりと手首をつかまれていて、それはかなわなかった。
手首とひじとの中間にある奇妙なものが、あらわになった。
人の顔をかたどった小さなゴム製のお面を、皮膚に貼りつけたように見える。
そして、そのお面というのが――。
写真と同じ、ユカの顔なのだ。
「殺したんだね?」
斑尾があたしを見おろし、凄みのある声で質問した。
あたしが答えないでいると、もう一度言った。
「あなたが殺したんでしょ、この女を?」
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