第10話 終わりが始まり
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遠くからいくつものサイレンの音が重なる。 それがドンドンと近付いてきて、耳を揺らす。 視線は定まらず、回転するばかりだ。 まるで頭から下が存在しないように、身体の感覚がない。 時折視界に自分の手足が入るのだから、どこも失ってはいないとわかる。 不意に熱い手で捕まえられた。 腕、肩にグッと力を入れて支えられ、上半身を起こされる。 どうやら倒れ込む寸前だったようだ。
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