第10話 終わりが始まり

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「蒲生っ…こっちだ」  その知った声は、力任せに俺を引っ張っていく。  どこもかしこも白っぽい靄がかかっている。  咳き込む人々につられ、俺も激しく咳き込んだ。 「大丈夫か? 砂埃がひどいからな…」  足音が近づき、俺の横で止まる。 「土井君、いいってさ」 「そうですか。よかったー」  もう1人の手が俺の身体を支える。
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