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真夜中過ぎ──
おとんの酷いいびきで僕は目を覚ました。
うるさくて寝られへん。
寝返りをうちおとんに背を向けた。
カタン
下で物音がした。
何かしらの気配を感じる。
じいちゃんか?
便所のある一階にじいちゃんだけが寝ていた。
トントントンと階段を上がる音。
じいちゃんにしては勢いがあり過ぎた。
僕は息を潜めて気配を窺った。
ミシッ
じっとしているのに耐えられなくなったかのように板の間が音を鳴らした。
ふすまの向こう側に誰かいる。
パチン
手拍子か?
それきり、音も気配も無くなった。
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