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ここから、ここまで線を引く。
定規で、綺麗に、真っ直ぐ……。ちょうどまん中に、コンパスの針で小さな穴を開けた。
ちょうど、まん中。
譲るつもりはない。1ミリも違わずにまん中だ。
ちょうど、まん中。
対角線上の小さな穴。そこに朋子が立っている。
こっちの角が俺で……こっちは幼なじみの彼が立ってる。
朋子は10年間ずっと俺の方を向いていた。
俺はずっと、朋子越しに見える彼に、怯えるように過ごしていた。
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