コニ星にバケモノがやってきた。

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◆ 「長官、宇宙船からの通信ですでにご存じだとは思いますが……」 ランバードは、歩きながらこれから最低でも30年は労働をさせる奴隷について説明を始めた。 「今回潜入した星の生命体は我々程ではありませんが、そこそこの知能があり、根気よく教えれば、奴隷としての仕事を覚えてくれると期待できます。また帰還中、宇宙船の中で生命体の身体を調べたところ、我々に感染するようなウィルスは持っていませんでした」 ランバードの説明に満足そうに頷きながら長官が言った。 「それは安心だな。して、その生命体自体の健康状態はどうなんだ? せっかくランバードが長い時間をかけて、奴隷にできそうな個体を確保したのに、すぐに死んでしまってはかなわんからな」 長官の言葉に他の隊員達もウンウンと頷いている。 確かに、莫大な費用と労力をかけて捕まえた奴隷が、到着して3日で死んでしまったのでは割に合わない。 「ご心配には及びません。生命体の健康状態を調べた時に、体内に無数の病原を発見しましたが、簡単なレーザー治療ですべて完治させておきました。また、筋力が極端に弱っていたのでそれも修復済です。これから始まる過酷な肉体労働にも充分耐えられるでしょう。……おっと、見えてきました。あの川辺で横になっているのがそうです」 ランバードの目線の先を追う長官と隊員達。 横たわる生命体を見た瞬間、彼らは顔を歪ませおののいた。 「な、なんて大きいんだ! それに見た目の醜悪さといったら……まるでバケモノのようじゃないか……! なになに……手足が計4本、目が2つに鼻と口があって、耳の位置は低い。造りは我々と共通するものがあるが……毛もないし皺だらけだし美しさの欠片もない醜さだ……まぁ、それでも温厚な性質というのなら文句は言うまいて。しかしランバード、あんなに大きな生物を拘束も無しに寝かせておいて、本当に大丈夫なのか? 暴れたりしないのかね?」 「大丈夫です。いや、実は私も最初に見た時には驚きました。しかし彼らは……特に奴は図体だけで、性格はとても温厚です。潜入捜査として正体を隠し、5年間一緒に暮らしましたが調教も難しくありませんでした。もはや私の言いなりです。ただ、知能はあまり高くありません。私は奴の言葉を理解できますが、奴はこちらの言葉を理解できません。ボディランゲージと長年連れ添った勘で、なんとか意思疎通ができるいったところでしょうか」
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