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だがしかし、どれだけランバードが変わってしまっても、彼は大切な仲間なのだ。
もしあのバケモノが暴れだしたら、一斉に飛び掛かり取り押さえる覚悟がある。
長官達はいつでも動けるようにと動向を見守っていたその時、とうとうバケモノが目を覚ました。
デ、デカイ……!!
バケモノは小さな目をショボショボさせながらゆっくりと起き出して、キョロキョロと周りを見渡している。
時折首を傾げ、ココはどこなんだ? と言っているように見えた。
「やっと起きたか! このお寝坊め! まぁ、でも今回は宇宙船での長旅もあったし、麻酔も飲ませてしまったからな、大目に見てやってもいいぞ!」
そう言ってランバートはバケモノの前に座り、乱暴な口調とは裏腹に愛おしそうに目を細めた。
なんだかんだ言っても、遠い異星で5年も生活を共にした仲なのだ、愛着が湧いても不思議ではない。
一方バケモノは、シワシワの小さな目にランバードの姿を確認すると、鼓膜が震える程の声で絶叫し、続けて目から大量の水を出し始めた。
「ラ、ランバード! あのバケモノは一体どうしたというんだ! なにをわめいておる!?」
慌てる長官にランバードは落ち着いた様子でこう答えた。
「ご安心ください。騒いでいますがアレに敵意はありません。奴は私に会えて喜んでいるのです。これから奴の話す言葉は私が通訳します」
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