放課後、７番目の教室で。

会いたい理由

康太から顔を背けたのは、美琴のことを話す表情がとても愛しそうだったから。

大丈夫、大丈夫……。

自分に言い聞かすように心で唱えて、笑顔を作る。

「まあ、小雪がいるなら平気だろうけど。昔から、美琴のこと助けてくれたもんな」

大丈夫。

胸なんて痛くない。

だって、ほら。

私、ちゃんと笑えてる。

「心配しないで。私、いつも美琴のそばにいるから」

……笑えてる。大丈夫。

だけど、早く放課後になって。

夏生くんに会いに行きたい。