会いたい理由

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* 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴って、康太と別れて2年1組の教室へ戻った。 自分の机に、2時間目の授業の準備を始めて、チラッと美琴の席を見る。 さっき、康太と普通に話せてた……よね? うん。前ほどの胸のざわめきは感じないし。 美琴と付き合い始めたばかりの頃より、ずっと呼吸が楽だった。 まだ少し、先ほどの余韻でドキドキと全身がうるさいけど。 現国の教科書を机の左側に乗せて、教室の時計を見た。 放課後になるまで、あとどれだけ待てばいいんだろう。 窓の外に目を向ける。 授業が始まるまで、昨日よりも散ってしまった桜を見ていた。
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