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昼休みはすっかり美琴を抜きにして、3つだけ机をくっ付けて準備することが当たり前になった。
弁当箱が入った包みを持って、それを美琴は何か言いたげに見つめる。
「なに?彼氏のとこ行くんでしょ」
美琴の視線に気づいたマナが、冷たく言い放つ。
「そうだよぉ。自分から、好きでそっち行くって言い出したんじゃないの?」
マナのアシストをするように、ハルカがクスクスと笑う。
「う、うん、そうだね。行ってくる……」
仲間外れにされていることを察しているはずのに、それでも笑って、美琴は教室から出ていこうとする。
昨日までの私なら、嵐が過ぎるのを待つように、何も言わずにじっとその時を待っていた。
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