declaration

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俺はこんがらがった頭の中を整理していた。 今の言葉の意味は一体どういうことなのだろう。 一年「あれ?成瀬先輩……会長は?」 いつの間にか俺の元へ来ていた一年生の役員たち。 気づけば、アレクは廊下の突き当りを曲がるところだ。 奏多「…えっ……ちょ……アレク!!?」 急いでアレクを呼んだ。 だが、時既に遅し。 もしや、これは大きな誤解をしながら俺たちは話をしていたということだろうか。 さっきのアレクの台詞―――…… 聞き間違いでなければ、アレクは俺から彼女を奪うと言っていた。 ん!? まさか、アレクは俺と梨乃が付き合っていると思っていたのか!? と、そこへ梨乃が駆けてくる。 彼女は俺を見つけると手を挙げた。 梨乃「ごめんっ。遅くなった。あ、皆着ちゃってる?あれ?何してるの?なんで皆外にいるの?さ、入って。」 一年生達を押し込むようにして彼女もまた生徒会室へと入っていく。 (ちょ……これはマズいことになったぞ。けど、会話成立してたし……でも間違いなくアレクは……) 梨乃「奏多?どうした?何かあった?」 見れば一年生たちは揃っていて席に着いている。 奏多「あ……ゴメン。行く。今行くよ。」 今はとにかく総会のことだ。 アレクの誤解は放課後にでも解けば良いだろう。 だけど……どうやって解けば良いのだろう。 俺と梨乃が付き合っていないとなれば、あの流れだと他に誰かいるとなるだろう。 そしてそれを俺は知っているということになる。 もちろんアレクはそれを追及してくるだろう。 (マズい……非常にマズい………どうするべきか……) 梨乃「奏多?やっぱり何かあったんじゃ……」 彼女に心配をかけたくない。 奏多「大丈夫。さ、会議しよう。時間もないし……」 そう言って俺は急ぎ足で生徒会室へと入っていった。
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