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放課後――… アレクを掴まえるが如く、授業が終わるのを今か今かと待っていた。 六限……今日に限って珍しく延長。 HRが始まる前にアレクに声を掛けておこうと思った。 ところが、授業が終わるやいなや既に廊下に待機していた担任がすぐに入ってきてHRを始める。 完全にタイミングを失ってしまった。 HRが終われば、すぐに生徒会室へ行かなければならない。 早く家に帰る予定の彼女のことを考えれば、この後アレクに声を掛けることは難しいか。 (しょうがない……部が終わってからにするか。) アレクが入ったバスケ部の終了時間は俺たち陸上部の終わる時間とほぼ同じ。 うまくいけば帰り際に掴まえられるかもしれない。 もし掴まえられなかったとしても、俺はアレクが滞在している場所を知っているわけだし。 ならば、もうスイッチは切り換えておこう。 俺は頭の中を総会の準備のことだけに集中。 そしてHRが終わった瞬間、彼女とともに生徒会室へ向かった。
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