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明日の総会を控えて、生徒会室では最終の確認と調整を行っていた。
皆、各自役割がある。
明日に不安を残さないようにとリハーサルを。
そして全て終了すれば17:00となっていた。
梨乃「それでは明日はよろしくお願いします。では解散。」
彼女が一年たちに声掛けをしている間、俺は急いで教室の窓の鍵を閉めていく。
彼女も俺も今日はやるべきことがある。
互いのことを考えれば、この後すぐに帰れる方が良いはずだ。
そして、最後まで不安を感じていただろう一年生が去った。
梨乃「あ……ごめんね。奏多急いでるよね?大会あるもんね。」
奏多「え……あぁ、まぁ。ん、梨乃も今日は家に行くんだろ?さ、出よう?」
確かに大会は近い。
だが、それよりもアレクの誤解を解くことの方が今は頭にある。
後から頭の中を整理したのだが、やはりアレクは誤解している。
そう言えば、決まった人がいると聞いたと言っていた。
一体そんな情報どこから得たのか。
まさか、藤沢選手?
いや、それはないだろう。
藤沢選手は梨乃に嫌われたくないということもあるから、かなり言葉には気をつけていると言っていた。
梨乃の母親……ポロっと喋ることがあったとしても、そうなればおそらく夫の藤沢選手が何らかのフォローをするはずだ。
だとしたら……一体誰が……!?
もしや、河合先生では!?
だけど、接点がないような?
いや、でも、河合先生は生徒見境なく声掛けているし……
やはりこの線が濃厚だ。
梨乃が下校するのを見届けた後、俺は急いで教官室へと向かった。
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