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教官室へ行くと河合先生はいなかった。
聞くところによれば、学校から少し離れた校外にある陸上競技場へ向かったとのこと。
仕方なく俺は自分のトレーニングに取り掛かる。
大会前ということもあるから、メニューも軽めに組まれている。
他の部員より遅れを取ったがいつもより早く上がれそうだ。
メニューを終えたら教官室前で待っていれば、間違いなく先生には会えるはずだ。
そして体育館で活動している男子バスケ部の様子も伺える。
(今日中に絶対あの誤解は解いておかないと……)
しかし一体どうして俺と梨乃が付き合っているように思ったのか。
そう思ったということはそう思わざるを得ない様子が見て取れたということか。
だとしたら、少し嬉しい気もする。
だが、よくよく考えてみれば、chickenやら趣味を疑うやらとんでもなく失礼な言葉を並べていた。
まぁ、百歩譲ってchickenは思い当たるフシがある。
だが、趣味を疑うって……!?
つまり、俺を自分以下と思っているということ。
そんな風に見らえていたと思うと何か苛立ちを感じる。
これは誤解が解けたら、その意味を問う必要がある。
場合によったら謝罪でも入れてもらおうか。
そんなことを思いながらメニューをこなしていたらいつの間にか全てを終えていた。
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