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着替えを済ませ、教官室へ行くと河合先生が戻ってきていた。
河合「どうした?成瀬。会長なら部に来てねーぞ?」
教官室は体育館の中にある。
だからバスケ部が練習しているということは先生も知っている。
そして、この学校を卒業した河合先生と大泉さんは同年代。
その大泉さんの婚約者の様子に関しては常日頃から伺っているようだ。
奏多「いえ、彼女が帰ったのは知っています。そうではなくて今日は先生に用事が…」
河合「…は?俺に?…また珍しいな。ん……どうした?恋の悩みか?それともカラダの悩みか?」
奏多「いえ、そんなことではなくて…」
河合「あ?なんだ……会長のことじゃねーの?」
それは間違ってはいない。
だけど、そういったことではないのだが。
奏多「まぁ、会長のことです。ちょっと彼女のことで聞きたいことがあって。」
河合「…だろうな。まぁ、おまえが俺に用事なんて言ったら会長のこと以外ねーよ。で?何だ?何か気になることでもあったか?」
そう言ってニヤニヤしながら俺を見る目は何か知っているのか、目論んでいるのか。
奏多「…気になること……ん、単刀直入に聞きます。」
そう言って、辺りに人がいないのを確認すると俺は河合先生を見据えた。
奏多「梨乃が…そのあの人と婚約していることを誰かに言いました?」
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