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結局、私たちは近くの婦人科へ向かうことにした。
ママはパパとしかそういうことはしたことがなく、しかも出血もすぐに止まったとか。
前例がないということで、ママは急遽、親友の由利サンに電話。
由利サンは警察の人間で特殊な犯罪を扱う課に属している。
性被害などといったことも関わったことがあるかもしれないとのことで、思い切って聞いてみたのだが―――
愛梨「まぁ、そうだよね。病院行くのが一番確実だよね。」
由利サン曰く、すぐに病院で診てもらえとのこと。
心配することはないとは思うが万が一、病気があってもとのことで、私たちは地元の婦人科へ。
だけど、地元の婦人科へ母子で行くなんて危険過ぎる。
梨乃「…やっぱり行かなきゃいけないかな……?」
愛梨「…だって由利ちゃん早くいけって……梨乃だって不安でしょ?」
不安は不安だ。
だけど、どちらかと言えば、今は婦人科へ入るのを見られるという危険………その不安というか心配の方が大きい。
梨乃「それはそうなんだけど……」
そうこうしていると、婦人科の看板が見えてくる。
駐車場には一台車が停まっているよう。
(…あぁ……どうか知り合いではありませんように……)
そして、遂に車がその婦人科へ到着―――……
と、その時、どこからかクラクションが聴こえた。
愛梨「…えっ……何?」
その音は後方か。
何事かと、ママはバックミラーで、私も振り返って後方を確認。
すると、そこには見覚えのある車があって――……
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