34人が本棚に入れています
本棚に追加
後方の車に気を取られ、気づけばその婦人科は越えてしまっている。
愛梨「…あ……行き過ぎちゃった……その先で廻ってこないとだね…」
ママはやはりどこか抜けている!?
後方の車が何故クラクションを鳴らしたのか気づいていないのだろうか。
梨乃「…ママ、後ろの車……」
愛梨「私がノロノロしてたからイラだったのね。だって久しぶりの運転だもの……仕方ないわよね。」
やはり何も気づいていないらしい。
私はただ焦っていた。
梨乃「あ…あのね、ママ……」
愛梨「…あ、あの駐車場なら廻せそう。ちょっと待ってね……」
そう言ってウィンカーを出してママは車を左折させる。
そこはどこかの会社の駐車場だろう。
閑散としていて車を回せそうではあるが――……
愛梨「…え?あれ?さっきの車、もしかしたらここの会社の人かしら……困ったわ。ん、でも回すだけなら大丈夫よね。」
そして車を突き当りまで走らせるとそこから車をバックさせ方向転換させる。
愛梨「…っしょっと……ん、大丈夫。もう少し……さ、行きましょ?…えっ…」
その瞬間だった。
後方にいた車の運転席からよく知るあの人が出てきた。
愛梨「…えっ……小笠原さん?」
ようやくその車がゆうちゃんの会社のだと気づいたのか。
小笠原さんはママの方へ駆けてくるとウィンドウをノックする。
そしてママはすぐにウィンドウを開けて―――
愛梨「…え……あの……どういう…?」
最初のコメントを投稿しよう!