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今朝、私の様子がおかしいことを彼が気づいているのは知っていた。
それはそうだ。
朝からアノ痛みで自分でも分かるほどカラダがギクシャクしていたのだから。
彼が気づいていないわけはない。
祐「薬を渡したって聞いたから何とか乗り切っているんだなって思っていたよ。だけど、部を休んで……梨乃のママに迎えなんて不自然過ぎるなって…」
すぐにSPを増やし、私を張らせた彼。
祐「思いも寄らない場所へと向かっているみたいだったからね。近くにいたから向かった……だけど……梨乃、またやったね?GPS……急に切るなんてさ、どういうつもり?」
さすがに婦人科へ向かっているのを彼に勘づかれるのはマズいと思った私は、コンビニを出る際に電源をオフ。
少しくらいなら誤魔化せるはず。
婦人科の受診が終わればすぐに電源をオンしようと思っていた。
だけど、たった10分少々の時間でこんな風に彼に察知され、見つけられてしまうなんて。
祐「この前のことがあるからね。ん、先輩にまたうちのSPやGPSを馬鹿にされたくないからね。俺もさ、同じことは繰り返さない。…にしても、梨乃のことを先輩が知ってて俺が知らないことがあるなんてね。ちょっと屈辱だったよ。」
私は……完全に彼を怒らせてしまったらしい。
普段怒らない彼がこうやって怒りを露わにすると本当に怖い。
梨乃「…ぁ……ごめんなさい。その……だってこんなこと…」
昨夜の痛みが酷くて病院……となると、彼はもう私に触れてくれなくなるかもしれない。
女としてパートナーを満たしてあげられないことが申し訳なくて━━
そんな思いからどうしても彼に言えなかった。
彼に言わずに解決できるものならと思っての行動だった。
祐「女性のカラダのことだからね。分かるよ。言いにくいことだって。けど梨乃……相当無理してたんだろ?どうしてあんな無理を……俺は梨乃が傍にいてくれるだけで……それだけでいいのに……」
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