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これからここで診察を行うということの意味。
それを思うと思わず身震いした。
婦人科の診察――……
そうなればやはりアノ診察は免れないのではないだろうか。
内診――…
つい最近、初めてあんな恥ずかしい行為をしたばかりの私。
好きな人だからこそあんな格好をしてもと思えるようになったが、それをまた違う男性の前で、初対面の人に?
しかも、内診とはソノ大事な部分に触れられるということ。
そんな恥ずかしいことをしなければならないなんて耐えがたい。
今頃になって更なる後悔が押し寄せてくる――…
祐「…梨乃?」
見上げればそこには心配そうに私を見つめる彼の顔。
私に気持ちを隠されていることを凄く嫌がる彼。
だとしたらこの気持ちは伝えるべきだろう。
梨乃「…内診……受けたくない……」
彼の意に反してしまったことがこの様である。
だけど……どうしても内診だけは受け入れられない。
梨乃「インフォームドコンセント……私は合意できない。だから……ごめんなさい。」
彼が心配してくれているのは理解っている。
でも、医師と患者の合意なくして内診はできないはず。
それなら私はそれを断固拒否する。
自分の羞恥を晒すそんなことをするくらいならこのまま出血多量で死んだ方がマシだ。
祐「…梨乃……理解らないわけじゃない。でも俺は…」
梨乃「嫌なものは嫌なのっ…」
祐「…ダメだ。ちゃんと診てもらわないと…いや、診てもらう。」
梨乃「…嫌っ!」
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