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やはり大人の彼の言うことを聞くべきだったのか。
だけど、それではいつまでも大人の彼に甘えているように思えていた。
焦らなくていいし無理しなくてもいいと言う彼。
でも、このままでは私はまるで彼の子供のよう。
いい加減、その一線を越えることでその親子のような関係を壊したかったのだ。
保護者のように私を見る彼の見方をどうにか変えたい。
だけど、根本さんの話を聞けば、彼がそういう目で私を見続けているのは仕方のないことなのかもしれない。
根本「次に来られたのは確か弟さんの出産の時ね。里帰り出産。貴方を見てくれる方はたくさんいらしたみたいだけど……ふふっ……ずっと祐さんといらして……クスッ…」
その記憶は鮮明ではないが私も残っている。
確か、あの時もパパが遠征でいなかった。
ロスで愛斗を出産ということも考えたらしい。
だけど、ママがパパには野球に専念して欲しいということで少し早めに日本へ帰国することになったのだ。
その際に動いてくれたのはやはりゆうちゃん。
全面的にバックアップ。
なんと自家用ジェットに医師まで連れてきてくれていた。
そして帰国後、ママは大泉総合病院へ。
私を出産した時のこともあるということで、事前に入院をしその日を迎えるのだが、その間、私は彼に付きっきりだった。
ママやパパの実家にも何度かお世話になった。
だけど、全然眠れない。
結局、私は彼とともに彼の会社の経営するホテルで過ごすことになった。
彼と一緒にひとつのベッドで寝るようになって睡眠もとれるようになった。
彼の温もりが私を安心させる。
ずっとこのままでいい……そう思っていたのに、案外早く愛斗が生まれてしまった。
そうこうしているとパパが緊急帰国したのだが――
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