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帰国したパパが私たちのその状況を聞いて激怒した。
私がゆうちゃんと一緒に寝泊まりしていることが許せなかったらしく、その日から自分の実家へ連れて帰ると言い出したのだ。
根本「お父様がいらしたのに祐さんから離れなかったのが印象的で……クスッ」
私を何が何でも連れて帰ると言うパパ。
抵抗して、ゆうちゃんにしがみついて離れなかった私。
根本「『だったらゆうちゃんのお嫁さんに今すぐなる!』って……お父様のあの時の顔ったら……ねぇ……」
端から見ていてよほど面白い光景だったのだろう。
根本さんはクスクス思い出し笑いをしている。
梨乃「…お恥ずかしい話ですね……」
根本「可愛かったですよ。それで祐さんもまた嗾けるものだから……」
梨乃「嗾けて?」
その時、彼がどんな風に嗾けたのか、その記憶が私にはない。
きっとそれはパパに対して感情的になっていたからに違いないが。
根本「そう……祐さんったら『じゃぁ、今すぐ結婚しようか』って。そしたらお父様が更に怒ってしまわれて……」
病室内で大きな声を出すものだから、それまで眠っていたママも目が覚めた。
久しぶりに会えたと思えば娘のことで大きな声を出しているパパにママは激怒。
ママの説教が始まった。
その間にゆうちゃんと私はソファで話をしていたという。
パパが帰国している間だけ、パパと実家に泊まるように言われた私はゆうちゃんに聞いたという。
根本「『梨乃のこと嫌いなの?』って。そしたら祐さん、『君は僕の大切な人だよ。必ず迎えに行くから…』って。その時の梨乃さんの顔が嬉しそうで……」
その後、私はパパとともにパパの実家へ泊ったという。
当時から彼の言うことに対しては絶対服従だったらしい。
それほどに当時から私は彼のことを好きだったということ。
そしてその想いは今も変わらず━━…
梨乃「そんなことが……」
そしてその言葉はその時の私に掛けられた言葉ではあるけれど、こうして今、実現されている。
根本「あの時、もしかして……って思ってはいたの。でも、年齢差があるから。梨乃さんも年頃になればどうかなって……それがまさか現実に……本当に……私、嬉しくて…」
梨乃「…えっ…」
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