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昨日、先生から彼女の様子が変だった『ソノ』理由を聞いて、ずっとそのことが頭から離れなかったから例の件のことはすっかり忘れていたのだが――…
河合「久しぶりにアイツと話したわ。声まで似てるから一瞬焦ったけどな…ハハッ…」
昨日、俺が先生に頼んでいたこと。
そう。
アレクがどうして梨乃に付き合っている人がいるということを知っていたのかということ。
河合「おまえが22時越えろっていうからちゃんと越えてから電話したらさ。ダンナが出やがって……」
河合の存在を知っている梨乃の父親である藤沢選手。
かなり警戒されたらしい。
河合「こんな時間に、しかも俺の嫁に何の用だって……ったく、変わってねーわ。」
若かりし頃、河合もまた梨乃の母親にちょっかいを出していたということもあるからだろうか。
それにしても今でもそうやって警戒されるところを見ると、当時よほど嫌なことをしたに違いない。
河合「で、なんとか繋いでもらったんだけどな。ん……誰にも口外してないってさ。するわけないって…まぁ、そうだよな。」
そうなるとどこからその情報が洩れたのか。
奏多「もしかして、二人が家で話しているのを聞かれたとか…」
河合「そうだな。それも考えた。けど、あの夫婦が言うには二人でいる時以外はその話は口にしない約束とか言ってたしな。となると或いは……」
心当たりがあるのだろうか。
先生は頭を傾げるようにして、
河合「…会長か大泉のどちらか……」
奏多「…まさかっ……」
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