忌まわしき思い出

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日本へ帰国の際、パパの同僚が空港まで見送りにきてくれた。 もちろん、アレクのパパも。 そしてそこにはアレクの姿もあった。 最後の最後までこの天敵と顔を合わせなければいけないのが苦痛だった。 だけど、それも今日で最後と思えば我慢できる。 パパたちが他の人と話している時だった。 アレクが少し離れたところに私を呼んだ。 何かと思えば、餞別(プレゼント)を渡したいとのこと。 悪態ついたり悪戯ばかりしてきたが、別れとなると淋しく感じたのだろうか。 申し訳なさから何かをくれるのかと思い、言われるがまま手を出した。 するとアレクは私の手の上に気持ち悪い感覚のものを置き握り締めさせた。 手を開くとなんとそれはゴムでできたおもちゃのクモ。 茫然としているとアレクがニヤリと笑った。 最後の最後までこれか。 白けたような目で彼を見ると、彼がその表情を歪ませた。 アレク「No, no, not like that……」
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