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何事もなかったように梨乃は話し始めた。
アレク「Dad次第だよ。次の学期に間に合うように戻るのが理想的だけど。でも、間に合わなければ日本にいてもいいんじゃなかってRinoのDadが…」
梨乃「えっ……ちょ…ちょっと待って。パパはアレクが来てること知ってるの?」
アレク「あぁ、知ってるよ。かなり前に話してたから忘れてたみたいだけどね。ちゃんと部屋用意してくれたよ。」
直後、梨乃がスマホに手を掛けた。
梨乃「…パパ?ちょっとどういうこと!?」
愛する娘からの電話ということで即様取ったのだろう。
だが、第一声がこんな剣幕だとさすがの藤沢選手も焦っているだろう。
暫く、梨乃は父親に説明を受けていた。
電話を終えると彼女が大きくため息を洩らす。
そして俺に救いの手を求めるような目を向けて━━…
奏多「…もしかして梨乃の旅館にアレクが?」
梨乃「…そうみたい。パパ忘れてたって。けどなんで私に伝わってないの?信じられない……」
その時だった。
アレク「あれ?僕が昨日来たこと伝わってなかったの?」
!!!
思わず奏多と目を合わせた。
当然だ。
だって私はゆうちゃんとマンションに住んでいて実家の旅館の方にはいないのだから。
アレク「そういや、RinoのMom言ってたな。Rino部屋に籠ってるって。何?『ハンコウキ』っていうの?ダメだな。Momを困らせちゃ。」
勝手にそう受け取ってくれているのが今は逆に有難い。
だけど、反抗期って……
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