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梨乃「…え?ゆう…ちゃん?」
どうして彼がここにいるのだろうか。
今日は週明け。
月曜日はいつも凄く忙しいと聞いている。
祐「先輩にいきなり呼ばれてね。まぁ、座りなよ。」
そう言って彼は私に手を伸ばし手をとると、そのまま彼の座っていたソファへと引き寄せた。
河合「おい。大泉!おまえどさくさに紛れて何いちゃついてんだよ。一応ここ学校なんだぞ!」
河合が指摘するのも当然である。
彼は私を彼の傍にペタリとくっ付くようにして腰に手を回している!?
慌てて少し彼から距離を取ろうとした。
だけど、その手は離さんばかりとチカラが入ったまま。
祐「目の前に飢えた狼がいるのに子羊を野放しにするわけにはいかないので。」
以前、私は河合に身を委ねようとしたことがある。
だけど、それはゆうちゃんのことを想って悩んでいたからであって――…
河合「おまえホント根にもってんな。つか、大体おまえが素直になんねーから梨乃がどうしようもなくなってだなー」
祐「だとしても、梨乃に触れたことは事実。根にもって当然ですよ。ま、でも?もう梨乃は絶対に先輩に触れさすことはありませんから。」
腰に触れる彼の手に更にチカラが入った。
そして何を思ったのか彼がその指を妖しく動かすと思わず私の口から声が洩れて―――
梨乃「…んんっ……ぁ…」
そんな私の声を聞き逃さなかった大人の男二人。
祐「ダメだよ、梨乃。ここは学校……そんな声出しちゃ…クスッ…」
河合「…ちょ……おまえらどういうつもりだ!?何見せつけてんだよ!」
梨乃「そんなつもりでは……というか、あの!用事があったのでは!?」
こんなところで大人の男たちに遊ばれている場合ではない。
それでなくても私は忙しい。
そしてそんな中、ようやくストレス発散しにバスケ部へとやってきたというのに、こんなことに時間を奪われては困る。
河合「あぁ、用事ね。それよ。ん、ちょっとおまえ今日は陸上部の手伝いにこい。」
梨乃「は?…え……えっっ…!!!」
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