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教官室を出ると私はバスケ部の部室へと向かう。
体育館の端を歩いているとバスケ部の先輩が私に気づき声を掛けてきた。
先輩「梨乃っち、終わった?さ、やろうよ!早く着替えてきて!」
本当なら私だってバスケがしたい。
このたまったストレスを発散させたい。
だけど―――…
そこへ麗華もまたやってくる。
麗華「先輩!…え……ぁ……もしかして陸上部に?」
梨乃「…ごめん。何か向こうも大会でちょっといろいろあるみたいで…」
麗華「…やっぱり……」
麗華にとってこのバスケ部は少し物足りない。
何せ一年生だというのに三年生よりも実力があるのだから。
梨乃「向こう早く終わらす。私もね、バスケしたいから……」
うちのバスケ部もまた大会はもうすぐだ。
先輩に有終の美を飾ってもらう為には、自分で言うのも何だが私のチカラと麗華が必要だと思っている。
先輩「…分かってるよ。うん。待ってるから。だから早く行ってきなよ。それで早く終わらせてきて。うん、梨乃っちがいないと始まらないもん。ね、みんな?」
梨乃「先輩……」
申し訳なさを感じながら、私は運動場で待つ彼の元へと向かうのだった。
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