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そこには意味深な目を向ける彼。
祐「まさか彼が来てるとはね。」
河合からその情報を聞いていたのだろうか。
それにしても情報が回るのも早すぎる。
祐「驚いたよ。」
私だってアレクが日本に来るなんて思いもしなかった。
アレクとは二度と会うことがないと信じて疑わなかった。
それにしてもゆうちゃんもアレクのことを覚えていたなんて。
祐「彼、何しにきたのかな。ん……梨乃、何か話した?」
突如ふられたその質問に、思わずうっとなってしまう。
昼休み、アレクを生徒会室へ呼びつけた。
そこでアレクに言われたこと――……
梨乃「少しだけ。ん……この時期だから暇だったみたい。」
間違ったことは言っていない。
だけど、あんなことを………告白まがいなことを言われただなんて、ゆうちゃんに知られたくない。
祐「…暇……にしてもこんな田舎に来るなんて…ねぇ?誰かサンに逢いたくてやってきたのかな。」
まさしくそれはアレクに言われた言葉である。
でも、私にとったら迷惑極まりない理由。
梨乃「知ってるよね?……私がアレクのこと苦手なこと。」
当時、ゆうちゃんが学校へお迎えに来てくれていた時も、私はアレクのことを散々ゆうちゃんに話していた。
スクールに悪戯をしてくる男の子がいて困っているということ。
でも、パパの友人の子供だから無下に扱えないのだと。
祐「そうだったね。でも、きっとアレクは誰かサンのことが好きだと思うな。ほら、今も見てる…」
!!?
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