fib

7/8

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/321ページ
そこには意味深な目を向ける彼。 祐「まさか彼が来てるとはね。」 河合からその情報を聞いていたのだろうか。 それにしても情報が回るのも早すぎる。 祐「驚いたよ。」 私だってアレクが日本に来るなんて思いもしなかった。 アレクとは二度と会うことがないと信じて疑わなかった。 それにしてもゆうちゃんもアレクのことを覚えていたなんて。 祐「彼、何しにきたのかな。ん……梨乃、何か話した?」 突如ふられたその質問に、思わずうっとなってしまう。 昼休み、アレクを生徒会室へ呼びつけた。 そこでアレクに言われたこと――…… 梨乃「少しだけ。ん……この時期だから暇だったみたい。」 間違ったことは言っていない。 だけど、あんなことを………告白まがいなことを言われただなんて、ゆうちゃんに知られたくない。 祐「…暇……にしてもこんな田舎に来るなんて…ねぇ?誰かサンに逢いたくてやってきたのかな。」 まさしくそれはアレクに言われた言葉(こと)である。 でも、私にとったら迷惑極まりない理由。 梨乃「知ってるよね?……私がアレクのこと苦手なこと。」 当時、ゆうちゃんが学校へお迎えに来てくれていた時も、私はアレクのことを散々ゆうちゃんに話していた。 スクールに悪戯をしてくる男の子がいて困っているということ。 でも、パパの友人の子供だから無下に扱えないのだと。 祐「そうだったね。でも、きっとアレクは誰かサンのことが好きだと思うな。ほら、今も見てる…」 !!?
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加