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ところが―――…
マンションに到着するとそこにはパパがいた。
奏多「…え……藤沢選手……?」
パパを見つけた奏多は私とパパを交互に見て戸惑っている。
力「帰ってきたか。あぁ、奏多いつも梨乃が悪いな。ん?これから真ん家か?」
奏多「あ、はい。でも今日は由利サンが稽古つけてくれるんですが…」
力「げっ……西野かよ。そりゃ怖ぇーな…ハハッ…で、今日は疲れ残っていなかったか?」
奏多「はい。昨日のクールダウンが……」
奏多とパパは週末トレーニングをしていたということでその話をしているよう。
その間に私は自転車を駐輪スペースに停めに向かう。
そして荷物をカゴから取り出すと手を挙げて奏多に声かけた。
梨乃「奏多、ありがと。明日の朝、生徒会室寄れたら寄ってもらえる?見てもらいたい資料あるから…」
ここは忙しさをアピールしておくのが正解だろう。
総会に向けて順調にコトは進んでいるが、パパに時間があるなどと思われたくない。
奏多「あぁ、分かった。部が終わったら行くから。」
奏多も空気をよみそう応えると手を挙げる。
それに応えるようにして手を振った。
そして、パパと奏多が話している隙を見てエントランスへ向かった。
このまま逃げ切れると思った。
だけど一歩遅かった。
力「…梨乃、ちょっと待て。」
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