34人が本棚に入れています
本棚に追加
それは上海から帰ってきて過ごした週末―――
今夜こそはとその瞬間に備えていた私だった。
だけど―――……
私たちはまだちゃんとした関係を持つに至っていない。
それは―――……
『初めて』の私のせい。
彼を受け入れる準備はできているはずである。
でも、先に進めない―――
初めての私を怖がらないようにと彼はいつも十分愛撫に時間をかけてくれている。
痛くないようにと毎回かなり気を遣ってくれるのだが――……
けれど、いざ……となるとその強烈な痛みに耐えられない。
そんな私を彼は絶対に無理強いしない。
無理だと思うとすぐに切り換え、互いに気持ちのいい『方法』でコトを終える。
私はそれでも満足しているから別に問題はない。
だけど――……
きっと彼は中に入りたいと思っているはずだ。
梨乃「…ゆうちゃん……大丈夫だから……」
最初のコメントを投稿しよう!