Misunderstanding

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カラダを少し動かした瞬間、その痛みが襲ってきた。 そのちょっとした私の違和感を彼が見逃すわけがない。 祐「…やっぱりまだ痛むのか……ん……今日は休んだ方が……」 梨乃「…行く……今日は行かなきゃいけないから…」 こんな痛み、そのうち引くはずである。 自然治癒力というものを私は案外信じている。 祐「…心配だな………ん、けど本当に辛い時は連絡して。すぐに迎えにくるから。いや、何ならこれから病院に……」 梨乃「…いい……ん、大丈夫だから。大したことない。あ、着いた?」 車が停車したようだ。 執事の小笠原さんが後方席の方へ回り込むとドアを開けてくれた。 この瞬間が勝負か━━ 梨乃「じゃ、ゆうちゃん行ってくるね。ありがとう。じゃ……」 そう言ってそそくさと車の外へ出ようとした瞬間―――… …―――ズキ―ッ…―――… またもや、アノ痛みが走った。 思わず、足が止めそうになった私だった。 だけど、そこは必死で堪えた。 祐「…梨乃っ……やっぱり……」 梨乃「小笠原さん、行ってきます。夕方にまたお願いします。」 その甘い痛みを引き摺るようにして、私はその先の角を曲がった。
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