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そして、最後まで彼が言っていた台詞の意味を私は知ることになる。
『……後悔しないといいんだけど……』
絶対に後悔などしないと思っていた。
『コト』さえ成し遂げてしまえば、全てが解決すると信じていた。
週末からその日まで彼に慣らされた私の受け入れ態勢は整っていた。
彼が私の中へと入ってくる――…
これまでと同様やはり痛みは相当なものだ。
だけど、一度口に出したことを撤回するなどという選択肢はない。
自分で自分を落ち着かせるようにゆっくりと深呼吸。
彼も苦しいのか、少し顔を歪ませている。
どれくらい今入っているのだろう?
痛みが酷すぎて感覚が感じられない。
世の中の男女は子孫を残す為にこんなにも痛い思いをしないといけないのか。
何人も出産する人がいるが一体どういった『つくり』になっているのだろう。
しかも出産となると更に大きなものが出てくる。
生みの苦しみと言うが、苦しみなど越えて死んでしまうのではないかとさえ思ってしまう。
それくらいの痛みが私を襲っていた。
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