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私の決死の覚悟は無駄に終わってしまった。
深い関係になり損ねた上にこんな風に傷を負ってしまうとは予想外もいいところだ。
薬が効いたということで楽観視し過ぎていたのだろう。
結局、朝練は思いっきり参加。
試合前ということもありヒートアップし過ぎたのが悪化させたのか。
あれだけの出血となると薬が切れた時の痛みは相当なものかもしれない。
そう考えるとゾッとする。
むやみやたらに薬を飲むのはあまり好きではない。
だけど、それを考えると早めの対処が必要か。
少し早いけれど、次の休み時間に薬を飲むのが良いかもしれない。
河合曰く、4~6時間の効果とのこと。
それならたぶん問題はないはずだ。
今日はどうやら憂鬱な一日を過ごすことになりそうだ。
梨乃「…はぁ……こんなことならちゃんと言うこと聞いておけばよかった…」
経験のある大人の彼だからこその発言。
それなのに私は―――…
それを押し切ったが為にこんなことになってしまった。
後悔先に立たずとはこのこと。
梨乃「…はぁ……」
思わずため息が漏れた―――…
とその瞬間、聞き覚えるのある声が聴こえた。
河合「でっけーため息だな?」
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