Misunderstanding

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予鈴が鳴るとともに教室へ入ると奏多とすぐに目が合った。 席が近いということもあり近くまで行くと彼が声を掛ける 奏多「何かあった?」 いつもならこの中休みには奏多と話すことが多い。 だけど今日はチャイムが鳴ってすぐに出ていったということもあったから、何事かと気になっていたのだろう。 梨乃「ちょっと用事があって……あ、昼休みに一年招集しようかと思うんだけど、奏多も来てくれる?」 奏多「ん?放課後じゃなかったのか?」 梨乃「うん。ちょっと今日早めに帰らなくちゃいけなくなって……個人的な都合で申し訳ないんだけど…」 昼休み、私はママに連絡を取るつもりでいる。 できれば彼に内緒で―――… ママに事情を離せば何とかなるはず。 用事があるとか適当に誤魔化して、ママに迎えを頼めばきっと迎えに来てくれる。 奏多「それはいいけど……あ、もしかして調子悪い?」 梨乃「ううん。そういうのじゃなくて……実家で用事があって…」 それ以上はいくら親友でも言えない。 そんな私の気持ちを悟ったのだろう。 奏多「分かった。じゃ、次の休み時間にアナウンス入れておく。」 こういう時、フットワークの軽い奏多は本当に頼りになる。 陸上部の奏多なら10分の休み時間中にアナウンス室へ行って帰ってこられる。 梨乃「ありがとう。助かる。よろしくね。」 奏多「任せといて。あぁ、そうそう。そういえばさ……」 担当教員が来るまで私たちは暫く他愛もない話をしていた。 そんな私たちの様子を取り巻きの女子生徒の隙間からアレクが見ていたことなど私は気づきもしなかった。
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