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第二話 散歩
「ただいま」
「おかえり、エディ」
帰宅したエディは元気よくリビングへ行くと、カバンを投げ捨てるように放り投げ、再び玄関へと向かう。
「ジャックの散歩に行ってくる!」
「気をつけていってらっしゃい」
「はーい!」
母のベラはコーヒーを飲みながら息子の背中に声をかけた。
エディは勢いのまま、小屋へと駆けていく。
「ジャックー、ジャック! お待たせ、散歩に行こう!」
小屋の中でジャックはおとなしく待っていたようだったが、エディの姿が見えるとそちらの方へ鼻先を向けた。
「今日は湖の方に行ってみよう。天気がいいから」
ガチャガチャと音をさせて手綱をつける準備をしながらつぶやく。
「エイミーも一緒に行けるようになったらいいのにね」
エディは十二歳、エイミーは八歳だ。彼女はエディのように乗馬を日頃からしているわけではないため、エディやグレアムらと練習をする必要があった。
「さ、準備できたよ。行こう」
ニコニコと笑うエディの顔を、ジャックの黒がかった瞳がエディを見つめていた。
◇
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