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温和が、私の言葉を真剣な顔で待ってくれているのが分かって、私はすごくすごく緊張する。
心を落ち着けるように膝の上に載せた手をギュッと握りしめると、温和を真正面からじっと見据えた。
「……私ね、小さい頃からずっと温和のことが――」
私が温和に思いを告げようとした丁度その時。
温和の携帯が着信したの。
私はその音に思わずビクッと跳ねてしまう。
温和が、「悪い」って言って画面をチラッと見てから、眉根を寄せたのが分かった。
「あ、あの――」
恐る恐る問いかけると「逢地先生からだ。気にしなくていい」って。
ちょっ、それっ。気にするなって言われても気にするよ！
逢地先生、温和の大事な女性なんでしょう？
そう思った途端、本当は出て欲しくないくせに、思わず「出なくていいの？」って聞いてしまってた。すぐにバカ！って自分のことを罵ったけれど手遅れ。
自分のあまりの愚かさに鼻の奥がツンとなって、慌てて温和の視線から逃れるように俯いた。
「――気にしなくていい。それよりお前、俺に話したいこと、あるんだろ？ 聞くから話せよ」
温和は携帯を無造作に布団の上に放ると、顔を伏せたままの私の顎に手をかけて、上向かせてくる。
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